書いた人:Point Flag
質の高い集団には、リーダーやサブリーダーが複数存在し、生産的なピラミッド構造を形成している。そのため、トップが不在でも各々の役割を担うリーダーがいることで組織は揺るがない。学校も同様である。
学級委員や委員長、部長といった役職には、内申書の点数を稼ぐためではなく、学級や委員会、部活動を良くしよう、協力・協働しよう、組織を動かそうという向上心を持つ人にこそ就いてほしい。リーダーが不適切だと、組織は崩壊する。どんなに優秀な戦略や戦術も、リーダーの意志の弱さを補うことはできない。
リーダーの仕事は、自分を守ることではなく、組織を良くすることだ。意志を持って人に働きかけ、組織を良い方向に導くことが求められる。守るべきものを守るために、身体を張って戦うべき時や、悪いことは悪いと率直に言わなければならない時がある。嫌われることを恐れない、逃げない強さが必要になる。自分と同等、あるいはそれ以上に大切なものを持っている人は強い。
そして、リーダーとして人を動かすには心の熱が必要だ。人の心の熱タイプを分類すると、自燃型、他燃型、不燃型の3つに分けられる。自ら燃える人、他人によって火をつけてもらって燃える人、何をしても燃えない人の3分類だ。
リーダーは自燃型であることが望ましいが、他燃型や不燃型に見える人も、時と経験を重ねて自燃型に成長する可能性がある。教員は生徒に先入観を持たず、様々な場面でチャンスを与えたり、働きかけたりして、自燃型の生徒を育成することが重要だ。
リーダーの熱について、四重の同心円をイメージしてみる。中核には責任者としてのリーダーがいて、学級で言えば担任だ。その周りに学級委員や各専門委員、班長がいる。さらにその周りには、「長」のつく役職を持たないものの、チームを大切に考える人たちがいる。そして、一番外側の円には、チームの都合より自分の好き嫌いを優先する人たちがいる。
リーダーの情熱は、中心から外側に向かって放たれ、一段外に行くたびに半分の温度になる。例えば学級で、担任の「リーダーとしての温度」が80度だとすると、学級委員や班長には40度で伝わる。その外側にいる心ある人たちには20度。一番外側にいる「自分が一番」の人たちにはわずか10度。10度では低温であり、やる気や意欲は湧き上がらない。リーダーの情熱が低いと、フォロワーは動きません。誰が動かなくとも、自ら燃えることができる人でなければ、リーダーは務まらない。
だから、教員は400度くらいの高温で行動した方が良いと思う。そうすることで、ひとつ外側の円にいる学級委員や班長は200度で燃え、さらに外側の心ある人たちは100度で沸騰する。一番外側にいる人たちでも50度の熱を受け、「自分が一番」という殻にヒビが入り、人間が本来持っている利他心を出せる可能性が高まる。
ただし、教員も人間として未熟であるため、400度で燃えていてもその熱がスムーズに伝わらず、学級委員や班長の意欲に火をつけられないこともある。ただ、火をつけて熱を伝導させ、広げていくためには、教員が強さや心の熱をもって、目の前の生徒に具体的な行動でアプローチする以外にない。諦めずに長い時間をかけ、少しずつ少しずつ熱を伝導させていくことが大切だ。教員として子どもたちを良い方向に導けるように、学び続け、努力を続けよう。