書いた人:tea
なぜ教職を志したかを考えるとき、とても不思議な気持ちになる。
小さい頃から勉強は得意だった。授業中、ミニ先生として、他の生徒に学習内容について教えて回っていた。どの教科もできた。みんなの、「わかった!」という嬉しそうな顔を見るのが好きだった。小学校低学年の頃から、学校の先生になりたいと思っていた。
そういった原点となる思い出はちゃんと覚えているのだが、小中学校を思い返すと、ネガティブな感情が満ちる。嫌なことを言われて泣いたこともある。仲間はずれにされたこともある。集団で暴力を振るわれたこともあるし、トイレに呼び出されたことだってある。特に、学校で不良として振る舞うような生徒と相性が悪く、幾分かいじめられていた。
親にはそのことを話したことは一度もない。学校に行きたくない時は、体温計をこすった。水銀体温計だったから、こすれば熱が上がるし、振れば熱が下がった。月に1回くらい、そうやってズル休みをした。小学校も、中学校も、楽しくなかった。
高校生になって、楽に息ができるようになった。みんなの人気者にはついぞ慣れなかったが、嫌な思いをすることは無くなった。大学もとても気楽だった。勉強は、自分の世界を変えてくれるというのは、割と自分の実体験として思うことだ。
先生になりたいという思いは、どういうわけか自分の中に残り続けた。小学校、中学校と良い思い出のない学校生活を送ったことが、今となれば、自分の柱となった。
全ての生徒が、少しでも幸せな学校生活を送れるように。そして、教室の中にいるときだけでも、楽に息が吸えるようになってほしい。いつもそう思っている。大人になって、色々辛いこと、きついこともあるけれど、中学校のクラスのことを思い出すと頑張れる、そう思ってもらえるような、学級経営がしたい。
それが、教職を志した理由だ。